変針するインターネット
SNSの変質そして生成AIの行方
昨年のセーファーインターネットデーからわずか一年で、インターネットには大きな環境の変化が訪れています。
主要なソーシャルメディアは、コンテンツモデレーションの取り組みを大きく後退させました。投稿はもちろん、掲載される広告にもその影響が及んでいます。
強力なメディアとして、為政者の行使する影響力の一部にSNSを組み込もうとする動きも見られます。その一方で、健全育成の観点から青少年のSNS利用を規制する流れが強まっています。
牧歌的なSNS利用の終わりは、誰の目にも明らかになりつつあるということです。
さらに、一般公開から三年が経過したChatGPTに代表される生成AIが、インターネットのあり方を根本から変えようとしています。いわゆるゼロクリック検索によって、広告収益を前提とした従来型の無料サービスは、もはや成り立たなくなるのかもしれません。
生成技術の進歩も早く、写真や動画は全て疑ってかかるべき時代にもなっています。
いずれについても、個人の注意力だけでなく、社会や環境の設計の問題として捉え直すべきでしょう。
わたしたちにできること
そんな時代であっても、インターネットがわたしたち人間の利用を前提に動き続けていることに変わりはありません。
つまり、インターネットの将来を決めるのは、わたしたち利用者ひとりひとりだということです。
インターネットを使うことで、自らの心身の健康や大切な時間を損なっていないか、他者を傷つけていないか。もう一度立ち止まって考えるべき時です。
そして去年も触れた通り、「周囲との助け合い」こそが、インターネットをよりよいものにするために欠かせません。
セーファーインターネットデーのキーコンセプトとしても、"Together for a better internet"が掲げられています。
助けを求めることはもちろん、ちょっとお節介に手を動かすこと。それぞれが得意分野を持ち寄ることが、これまで以上に大切な時代になったと考えています。
弊社は2025年度に「インターネットと人権」「企業向け情報セキュリティ」分野での研修講師派遣の取り組みを始めました。
いずれも、インターネットの変化に置いていかれがちなのは、子どもたちよりもむしろ大人であるという問題意識からです。
また代表の高橋による「生成AIのある子育て」についてのnote記事執筆も始めています。(Safer Internet Day 2026のグローバルでのテーマもちょうど「Smart tech, safe choices – Exploring the safe and responsible use of AI:安全で責任あるAIの使い方」です。)
微力ではありますが、弊社もインターネット利用者の一員として、着実に前進を続けたいと考えています。
セーファーインターネットデーとは
Safer Internet Day は毎年2月に開催されるイベント。2004年にEUが主唱し、今では世界180カ国以上に広がった、インターネットをより良いものにするための取り組みです。
より具体的には、「新たなオンライン問題や懸念に対する意識を高める(知ってもらう)こと」が主な目的とされています。
つまりそれは、年に一度の、「インターネットについての大切なことをみんなで思い出す」ための日。日本でもたくさんの関係者が、この日のために協働しています。
本稿は、そのイベントに寄せた弊社の決意表明です。
株式会社ミヤノモリ・ラボラトリー
代表取締役社長 高橋 大洋
※Photo by 12u.3i
セーファーインターネットデーとわたしたち
セーファーインターネットデーとは
毎年2月に開催されている Safer Internet Day というイベントをご存知でしょうか。2004年にEUが主唱し、今では世界180カ国以上に広がった、インターネットをより良いものにするための取り組みです。
より具体的には、"From cyberbullying to social networking to digital identity, each year Safer Internet Day aims to raise awareness of emerging online issues and current concerns." と説明されている通り、「新たなオンライン問題や懸念に対する意識を高める(知ってもらう)こと」が主な目的とされています。
つまり、年に一度の、「インターネットについての大切なことをみんなで思い出す」ための日ということです。
インターネットをより良くするために
インターネットは、わたしたちの毎日には欠かせないものになりました。その一方で、生命身体の危機につながるもの、心身の健康や発達に関わるもの、経済的な損害を与えるものから、民主主義の根幹を揺るがすような偽・誤情報の流通まで、さまざまなトラブルが起きており、発達途上の子どもたちのことはもちろん、大人自身も不安を感じることが少なくありません。
そうしたトラブルを減らすためには、何よりも、サービスなどを提供する側の努力が欠かせません。子どもたちなど、知識や経験が不足している利用者を守るための仕組みは、まだ決して十分ではありませんし、各社の取り組みの透明性も満足すべき水準とは言えないでしょう。
それに加えて、わたしたちにも求められていることがあります。もはや、わたしたち一人ひとりが、情報の受け手であるだけでなく、広く社会に向けて発信する側、つまり「マスメディア」でもあるからです。
長い人類の歴史の中でも初めてのこの事態が、この15年ほどの間に到来していることを、わたしたちは自分ごととして、強く意識する必要があります。
わたしたちにできること、すべきこと
そんな時代に、わたしたちにできることの一つ目は、学び続けること。
幸い、インターネットは学びのための強力な道具にもなります。魅力的な教材や講座が、さまざまな主体から提供されています。
また、生成AIの発達のおかげで、日本語以外の言語で書かれた情報から学ぶことも現実的になっています。
そしてもう一つ、「周囲との助け合い」こそが、これから、インターネットをより良いものにするために欠かせないと考えています。
意図的に周囲とつながろうとしない限り、一人ひとりが孤立しがちなのがインターネットです。
そして、インターネットの利用に求められる知識や経験はとても幅広いものです。自分ひとりだけでそれらを全てカバーするのは、誰にとっても現実的ではないでしょう。
子どもから大人まで変わりなく、苦手なところ、自信がないところについて、信頼できる相手に聞いてみるチカラが、今後ますます大切なことになっていくと考えています。
セーファーインターネットデーのキーコンセプトとしても、"Together for a better internet"が掲げられています。
弊社も、この"Together"(一緒に)を前進させられるような取り組みに、これまで以上に尽力していきます。
株式会社ミヤノモリ・ラボラトリー
代表取締役社長 高橋 大洋
※Photo: Asahi-dake Mountain, Daisetsuzan, Hokkaido, Japan. by 12u.3i